【PRO・EX】CLIP STUDIO(クリスタ)の選び方【ダウンロード・パッケージ・バリュー・スマート】
目次
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)にはいくつか種類がある
CLIP STUDIO PAINT(通称クリスタ)にはいくつかの種類があり、その全てを総称したものがクリスタと呼ばれています。
どんな種類があるのかというと
- ①【PRO版・EX版】使える機能と価格の違い(2種類)
- ②【ダウンロード版・パッケージ版】現物パッケージの有無(2種類)
- ③【バリュー版・スマート版】支払い方法の違い(2種類)
こんな感じです。
最も重要なのは、機能面に差が出る①【PROかEXか】の違いです。
②と③はインストールディスクの有無や支払い方法に関する違いなので機能面には関係ありません。
【PRO・EX】使える機能と価格の違い(2種類)
①【通常タイプ】CLIP STUDIO PAINT PRO版
②【上位タイプ】CLIP STUDIO PAINT EX版
一般的に、イラストや一枚絵、ブログのアイキャッチなどを主に制作する場合は「CLIP STUDIO PAINT PRO版」、同人誌などの漫画作品を主に制作する場合は「CLIP STUDIO PAINT EX版」を使うと良いとされています。
それぞれの特徴は以下の通りです(※さらに詳細な違いは後述)。
価格 | 機能(簡単に) | |
CLIP STUDIO PAINT PRO版(Amazon)
CLIP STUDIO PAINT PRO(セルシス) |
5,000円(税込) |
|
CLIP STUDIO PAINT EX版(Amazon)
CLIP STUDIO PAINT EX(セルシス) |
23,000円(税込) |
|
※Amazonでもパッケージ版の購入が可能ですが、若干割高です。
※最安はセルシス(CLIP STUDIO制作元)のホームページで取り扱っているダウンロード版です。Amazon payでの支払いが可能です(セルシスでのアカウント登録不要。Amazonアカウントで支払いが完結する方法)。
ちなみに、CLIP STUDIO PAINT DEBUTというバージョンもありますが、こちらは特殊なので細かい説明は割愛します。pixivの有料会員になることで利用できるタイプでPRO版よりも機能はかなり制限されています。
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【ダウンロード版・パッケージ版】現物パッケージの有無(2種類)
クリスタで重要なのは機能面に差が出るPROかEXかの違いだけです。
ここからは紹介するバージョンは機能面に一切関係ありません。
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)ダウンロード版
WEB上でアプリケーション(ソフト本体)をダウンロードします。ソフトの入手とライセンスコード(シリアルナンバー)の発行がWEB上で完結するタイプで、使いたいと思ったその日から使うことが出来ます。また、料金が最も安く済むのも魅力。
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)パッケージ版
インストールディスクとライセンスキーが宅配で送られてくるので、ダウンロード版と比べると使用までのタイムラグがあります。利用ガイド(説明書)やインストールディスクを現物で手に入れることができますが、ダウンロード版と比べると割高になっています。
【バリュー版・スマート版】支払い方法の違い(2種類)
通常であれば、ダウンロード版もパッケージ版も一括支払いの「買い切り」タイプとなりますが、新しい支払いの選択肢として「分割払い」「単月払い」というものが出てきました。それが「バリュー版」と「スマート版」と呼ばれているものです。
これらは、商品代金を一括で払うのではなく、月額料金として払います。
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)バリュー版
▶月額利用料500円を払うことで利用できるプラン。一定期間の支払いを終えると、永久に使用できる権利が貰えます。言い換えれば「分割払い」ですね。通常購入よりは割高になります。
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)スマート版
▶単月支払い(定額)となるプラン。バリュー版とは違い、一定期間を支払っても自分のモノにはなりません。1ヶ月だけ使いたいなど、局所的な利用の場合に使うのが有効。
おすすめは買い切りとなるパッケージ版かダウンロード版です。どうしてもお金が用意できないなどの場合でなければ、バリュー版・スマート版を選ぶ理由はあまり無いと思います。
ネットネット
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)PRO・EXの違い
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)PRO版
ダウンロード版:5,000円
パッケージ版:9,000円
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)EX版
ダウンロード版:23,000円
パッケージ版:36,500円
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)PRO版とEX版の違いについて
CLIP STUDIO PAINTを導入するにあたって気になるのはPRO版とEX版の機能面における違いです。
ダウンロード版だけを見ても、この2つのバージョンには20,000円ほどの開きがあり、どちらにしようかと迷うのは当然だと思います。
機能の違いを全て確認していると記事が長くなってしまうので、今回は漫画制作に焦点を当ててPROとEXの選び方を解説します。
まずは、漫画制作という観点から2つの製品の違いについて。
PROとEXの主な違いについて(漫画制作に関する機能)
EXにしか無い機能です
ザ・マリオ
- 複数ページの一括管理が可能
- 複数ページの一括印刷・一括書き出しが可能
- セリフの一括編集・管理が可能(全ページ全セリフのフォントを一括で変更するなど)
- 電子書籍(コミック)用のフォーマットで出力可能
- 背景制作の短縮(写真から線画・トーン化できる)
- フィルタプラグイン機能(クリスタ以外の製品のフィルタを使用できる)
- ノンブル・ページ番号の設定
EXにあってPROにはない機能の内、漫画制作で重要な鍵を握っているものを書き出してみました。
記事の冒頭で
一般的に、イラストや一枚絵、ブログのアイキャッチなどを主に制作する場合は「CLIP STUDIO PAINT PRO版」、同人誌などの漫画作品を主に制作する場合は「CLIP STUDIO PAINT EX版」を使うと良いとされています。
と書きましたが、この理由は「複数ページの制作・管理」ができるかどうかという点にあります。
実際に使っている側の感覚としても、複数ページにわたる漫画を書くのであれば「EX版」を選んだほうが賢明だと思いますが、PRO版でも制作は可能です。
例えば、31ページの読み切り漫画を書く場合、PRO版では31個のページファイルを個別に開いて編集しなければなりませんが、EX版であれば「作品での管理」が可能なので、一括した編集・管理が可能になります。裏を返せば、一括管理が必要ないのであればPRO版であっても漫画の制作は問題ありません。その分だけ管理の手間は増えますが長編漫画の制作も可能です。
決してPRO版では漫画が制作できないということではないのでご安心下さい。
4コマ漫画のように10ページ前後で済む作品であればPRO版で十分です。
30ページ、50ページ、100ページといった作品を頻繁に描くのであればEX版をおすすめします。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)価格と支払方法
支払価格と支払方法の違いによるバリエーション
先述の通り、CLIP STUDIO PAINTにはまず、PRO版とEX版という2種類があります。
ここからは、ダウンロード版、パッケージ版、バリュー版、スマート版の4タイプについて説明していきます。
これらのタイプの違いは「価格」と「支払方法」と「パッケージの有無」だけです。
PRO版かEX版かさえ決まっていれば、あまり悩む必要はありません。自分の財布や作業環境と相談しながら一番フィットするタイプを選びましょう。
個人的には、特別な理由がない限り「ダウンロード版」か「パッケージ版」でいいと思います。少しでも安いほうが良いのであれば「ダウンロード版」一択。多少高くてもガイドブックやインストールディスクの現物がほしいのであれば「パッケージ版」です。
ザ・マリオ
PRO版 | EX版 | |
ダウンロード版 | 5,000円 | 23,000円 |
パッケージ版 | 9,000円 | 36,500円 |
バリュー版(分割支払) | 500円/月(11ヶ月で権利取得)
※11ヶ月以降は支払いなし ※実質5,500円 |
500円/月(50ヶ月で権利取得)
※実質25,000円 1,000円/月(24ヶ月で権利取得) ※実質24,000円 |
スマート版(定額支払) | 500円/月(何ヶ月払い続けても権利取得なし) |
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)ダウンロード版
ソフトの料金を一括で払う完全買い切りで、オンラインでアプリケーションをダウンロードしてインストールを行います。パッケージ版のようにインストールディスクやライセンスキーの到着を待つ必要がないので、使いたいと思ったその日から使い始められます。また、パッケージ版やバリュー版などと比べ割安なのも特徴。月額費用がかかることはないので、一度購入すれば無期限で使い続けることができます。マニュアル等はオンライン上のデータで閲覧することが可能です。
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)パッケージ版
ソフトの料金を一括で払う完全買い切りで、パッケージとしてソフトの現物が宅配されてきます。インストールディスクとライセンスキーが宅配で送られてくるので、ダウンロード版と比べると使用までのタイムラグがあります。利用ガイド(説明書)やインストールディスクを現物で手に入れることができますが、ダウンロード版と比べると割高になっています。
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)バリュー版
ソフト全体の料金を月額で分割払いするタイプがバリュー版です。ある一定期間の支払いが終了すると、ライセンス(権利)が自分のものになります。
例えば、PRO版であれば11ヶ月の支払終了後は料金が発生しません。クリスタを使いたいけど今は手持ちの資金がないなどの事情がある場合は利用価値があります。
但し、通常のダウンロード版よりは割高になるので注意(PRO版であれば500円高い)。
CLIP STUDIO PAINT(PRO・EX)スマート版
バリュー版と同じように月額の支払となるタイプですが、こちらは何ヶ月支払いを継続したとしてもライセンス(権利)が自分のものになることはありません。
利用シーンとしては、1ヶ月や2ヶ月など短期で使う場合(臨時のアシスタント用)などが考えられます。長期で使うことがわかっている場合などには向きません。かなりユーザーが限られるタイプです。
バリュー版やスマート版は短期間でちょっとだけ試して見たい人に向いている側面があるとも言えますが、クリスタにはそもそも無料体験版があります。PROもEXも30日間無料で使用することができるので、ただ試したいだけならわざわざ契約しなくても使えます。
ザ・マリオ
【まとめ】実際にCLIP STUDIO PAINTを使ってみて
最後に、CLIP STUDIO PAINTを使っている私たちが感じた点を書いておきたいと思います。
ネットネットはクリスタEX、ザ・マリオはクリスタPROを使っています。
作画担当ネットネットの場合
使用ソフト:CLIP STUDIO PAINT EX ダウンロード版
ネットネット
体験版やPRO版は使わずにEX版から使用
アナログからデジタルへの移行時にクリスタEXを購入。前身であるコミスタはイラスト制作に少し使用したことがある程度で本格的な漫画制作は本ソフトが初めて。ちなみに体験版やクリスタPROは一切使用せず、いきなりクリスタEXから使い始めました。
クリスタEXを購入した後もイラスト制作にはSAIを使用していましたが、クリスタに慣れてきたのをきっかけに漫画、イラストともにクリスタEXへ一本化。現在では漫画やイラストの他、バナーやアイキャッチ制作にも活用しています。
ただし、クリスタは画像を均等に貼り付ける、整列させる、文字をそろえるなどのレイアウトに関する細かい調整が苦手なので、その点はAdobe Photoshopで補いながら制作しています。
クリスタEXで約2年間漫画を制作し、実装してほしい機能等はまだまだありますが、大きな問題はありません。
クリスタEX版最大の魅力
PROとの一番の違いは、やはり一括管理ができるところ。一括管理機能が無くても漫画は制作できますが、作業効率を考えた場合は段違いです。特にページ数の多い作品を描く人ほど、クリスタEXの恩恵を感じやすいと思います。
他のペイントツールに比べユーザーが多いため、ネットから簡単に情報が拾える上、ペンツールやトーン、素材なども大体自分の欲しいようなものが見つかるのも利点(ペンツールやトーンはユーザーが自由にオリジナルデータを制作し、公開できます)。ペイントツールシェアNo.1は伊達じゃありません。
ソフトはセルシスの公式からダウンロード版を購入しました。
原作担当ザ・マリオの場合
使用ソフト:CLIP STUDIO PAINT PRO パッケージ版
ザ・マリオ
ネームが描ければOK
ネームをデジタルで描くために導入。本当にラフな絵だけ描ければ良かったのでPRO版を購入しました。本格的なイラストを描いたり、漫画のペン入れや仕上げをするわけではないので、PRO版でも持て余しているほどです。
正直なところ、ネームを描くだけであれば無料のペイントソフト(ジャンプペイントなど)でも十分対応可能ですが、クリスタは漫画以外にも画像編集やアイキャッチの作成など幅広く使えるので重宝しています。
特に、ペンツールやトーン素材といった拡張機能はかなり汎用性が高いと思います。
クリスタPROの不便な点
不便な点を挙げるとすれば、一括印刷ができないということ。30ページを超えるネームになると印刷するのが非常に面倒なので、そのときだけEX版が欲しくなります。ストーリー漫画をメインに描く人はEX版の購入を強くおすすめします。私の場合、現在は4コマ漫画がメインなので特段問題があるわけではありません。
ちなみに、私はCLIP STUDIO PAINT PROのパッケージ版をAmazonで購入しました。その当時はパッケージ版でも5,000円台で購入できたのですが、現在は若干値上がりしているようなので公式ホームページからの購入をおすすめします。
公式ホームページからの購入であっても、Amazon PayでAmazonの支払い手段をそのまま使えるので便利です。