【CLIP STUDIO:クリスタ】Version 1.9.1注目機能「スマートスムージング」と「テキスト変形」
2019年7月に配信されたCLIP STUDIO(クリスタ)の更新プログラム「Version 1.9.1」。
今回の更新プログラム配信によりさまざまな機能が追加され、CLIP STUDIOの機能がさらに強化れました。
本記事では、Version 1.9.1の更新内容についてご紹介。
中でも特筆すべき機能については、実際に使ってみた感想や使い方の手順などをご紹介。注目の新機能「スマートスムージング」は別記事でさらに詳しく使い方や使用した結果を解説します。
目次
CLIP STUDIO(クリスタ)Version 1.9.1更新内容一覧
Version 1.9.1の更新プログラムでは、細かい機能面での改良点に加え、さまざまな新機能が追加されました。
ここでは、新しく追加されたCLIP STUDIOの機能について触れていきます。
①テキストの変形機能を追加【EX/PRO/DEBUT】
②変形機能の操作性が向上【EX/PRO/DEBUT】
③講談社への入稿に使用できる公認プリセットを追加【PRO/EX】
④素材パレットの素材管理を強化【EX/PRO/DEBUT】
⑤起動時にイントロダクションを表示【EX/PRO/DEBUT】
⑥その他の改善点・変更点
①テキストの変形機能を追加【EX/PRO/DEBUT】
テキスト全体の回転、縦・横方向の傾き、上下・左右反転の操作が行えるようになりました。
また、[テキスト]ツールなどの[ツールプロパティ]に[縦横比固定]が追加され、ハンドル操作でテキストの縦横比を変更できるようになりました。これをオンにするとVer.1.9.0以前のバージョンと同様にテキストの縦横比を維持したサイズ変更ができます。
②変形機能の操作性が向上【EX/PRO/DEBUT】
[編集]メニュー内の[変形]に、[拡大・縮小]・[回転]・[ゆがみ]・[平行ゆがみ]・[遠近ゆがみ]を追加。修飾キーなどを使用せずに、ハンドルの動きを制御した変形操作を行えるようになりました。 画像素材レイヤーやテキストレイヤーなどをラスターレイヤーやベクターレイヤーと同じように変形できます。複数の異なるレイヤーや定規を選択して、[編集]メニュー→[変形]より一度に変形することもできます。
※使用できる変形の種類はレイヤーの種類によって異なります。
③講談社への入稿に使用できる公認プリセットを追加【PRO/EX】
[新規]ダイアログ→[すべてのコミック設定を表示]の[プリセット]に、講談社向けのプリセットを追加。字切れ想定線を設定し、さまざまな商用の判型に対応できる用紙設定です。今後、他の出版社のフォーマットが追加されることも予想されます。
④素材パレットの素材管理を強化【EX/PRO/DEBUT】
- [素材]パレットにお気に入り機能を追加。
素材を[お気に入り]に登録すると、ツリー表示の[お気に入り]フォルダーに表示でき、使いたい素材をさがす手間が省けます。 - 素材をタイトル順に整列できます。[降順]と[昇順]の並べ替えも行えます。
⑤起動時にイントロダクションを表示【EX/PRO/DEBUT】
- 【Win/mac】新規インストール時と、アップデート時に、イントロダクションが表示されます。一度表示されたあとは、次回のアップデートまで表示されません。イントロダクションは[ヘルプ]メニューから、再度表示することができます。
⑥その他の改善点・変更点
その他、CLIP STUDIOユーザーからの指摘事項をもとにいくつかの機能改善や仕様変更、不具合を修正。
- タイムラインの任意の位置でフレームの挿入や削除ができる、[フレームを挿入]と[フレームを削除]を追加。
- 選択したレイヤーフォルダーを解除できる、[レイヤーフォルダーを解除]を追加。
- [フキダシ]ツールに、[角丸フキダシ]サブツールを追加。
- セルシスからのお知らせを表示する方法が、WebブラウザからCLIP STUDIOに変更。
- 【mac】KDP用の電子書籍データの出力機能の提供を終了。【EX】※2
- 【mac/iPad】入力したテキストを確定する前に、すべての文字を消去すると、[ツールプロパティ]の[行間]が「0」になる問題を修正。
- 【iPad】[環境設定]ダイアログの[パフォーマンス]に、[アプリケーションへの割り当て]を追加。[アプリケーションへの割り当て]の値を小さくすると、メモリ不足による強制終了を防げます。
- 【iPad】すべての文字を消去すると、[ツールプロパティ]の[行間]が「0」になる問題を修正。【EX/PRO】
まとめ:漫画制作視点から見る今回のアップデートで注目すべき点
以上が今回のアップデート(Version 1.9.1)で追加されたクリスタの新機能です。
なかなかおもしろい機能も使えるようになり、さらに利便性が向上しました。
アップデートされたさまざまな項目の中で注目すべき点は「スマートスムージング機能」と「テキストの変形機能」の2つ(あくまで主観ですが)。
特に、私たちのように漫画制作をしている人間からすると、「テキストの変形機能」の追加は非常にありがたいです。
クリスタ注目機能①:スマートスムージング機能
スマートスムージングとは、AI(ディープラーニング)技術により、画像解像度の変更や画像の拡大などで発生したジャギーを目立たないように変換できる機能のこと。
簡単に言えば、画像を拡大した際に発生するジャギー(輪郭線に見られる階段状のギザギザ) をAIが解析して自動で修正をかけてくれるというものです。
スマートスムージング機能を使ったイラストの比較がこちら。
詳細についてはこちらの記事で解説していますので、どうぞご一読ください。
クリスタ注目機能②:テキスト変形機能
漫画制作者待望の機能です。この機能の追加によりテキスト加工(回転等)がかなりスムーズにできるようになりました。
いままでは、
テキスト入力→ラスタライズ→テキスト回転
という手順でテキストを回転させる必要があり、ラスタライズした時点でテキストツールによるテキスト編集ができなくなるってしまうので、回転後に入力したテキストを変更するとなると、再度テキスト入力からやることになるという弊害がありました。
しかし、今回のクリスタアップデートにより
テキスト入力→ハンドルを使ってテキストを回転
という手順でテキストの回転ができるようになりました。工程が短縮された上、回転した後にテキストツールで文字の編集も可能。回転の角度変更、サイズ変更なども容易に変更可能となったため、使い勝手が格段に良くなりました。
以上、アップデート(Version 1.9.1)のまとめと注目の機能でした。
スマートスムージング機能について気になる方は、ぜひそちらの記事も読んでみてください。比較画像付きで解説しています。